Passo di Gavia 2621m

ガヴィア峠“Passo di Gavia”。 
もしも「サイクリストが一度は行ってみたい峠ベスト10」なんてのがあったら上位に食い込むこと間違いなしの名峠である。
世界中のサイクリストの憧れであり、
ジロ・デ・イタリアにおいて数々の名勝負が繰り広げられたこのガヴィア峠を走る日が僕にもとうとうやって来た。
1999年は近くのステルビオ峠は走ったもののルートの関係上ガヴィア峠には行けなかった。
いや行かなかったのかもしれない。
あの時はミシュラン地図のルート上に記された赤い点線、Difficult or Dangerous Section of Roadの文字に恐れをなしていたのだ。 
あれから7年、
僕は大きな期待と喜びを胸にTemuのキャンプ場を出発した。(ちょっと大袈裟か?)



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道標



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ponte di Legnoの中央広場をスタート



Temuのキャンプ場から出発点となる町Ponte di Legnoの中央広場までは約5km、緩い上り坂でウォームアップにはちょうど良い距離だ。
Ponte di Legnoの標高は1258m。峠へは17.4Kmで標高差は1363m、平均勾配7.8%の長丁場だ。
午前8時半に広場を出発。狭い石畳の道で町を抜け川に沿って走る。



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峠の入り口に立つ古いお堂。壁画が美しい。



しばらくは緩い勾配の道が続きPrecasaglioの分岐を通過、その先2つのコーナーでやや高度を上げ約4KmでPezzoとの分岐に着く。
ここにはレストエリアと水場がある。休んでいると数人のサイクリストが追い越していく。ライダーも多い。
驚くのはもう下ってくるサイクリストがいる事だ。いつ上ったの?



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S.Apolloniaのホテル



約6Km弱でS.Apollonia(標高1584m)に着く。えっ?まだ1584m!?
そうこれまでは序の口、ここからが本当のガヴィアなのだ。
ここにはホテルが一軒ありレストランも兼ねている。
明るい谷間(Valle delle Messi)には牧草地が広がり奥に岩山も見える。
トレッキングルートがあるようでそれらしき車が何台か停まっていた。


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物々しい標識



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16%!



先に書いたようにここからが本格的な上りの始まりだ。
谷の東斜面に付けられた道は森に入ったところで急激に狭くなり勾配も一気に増す。
入り口には読めないが物々しい警告標識が立っている。
そして急勾配16%のサインまで現れる。
九十九折れの激坂をダンシングを織り交ぜ何とかペダルを回す。もちろん何度も止って休む。
道幅は一車線でかなり狭く離合場所以外で車同士がすれ違うことは不可能である。
サイクリストよりも車のドライバーの方が神経を使う道だろう。
しかし少し前までこの区間は未舗装だったので舗装されている今はまだましなのかも知れない。



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森の中を抜け高度を上げる



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時折視界が開ける


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九十九折れ区間


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九十九折れ区間でセルフ撮影


九十九折れの区間は4~5Km続きかなり高度も上がってくる。
コーナーからは時々視界が開け南側の山並と上ってきた谷が良く見える。
その九十九折れの区間を過ぎると森林限界を超え荒涼とした山の斜面に沿って単調な道が延々と続いていく。
勾配は相変わらず急で時速6Km前後で坦々と走る。
8月だが山から吹き降ろしてくる風は冷たい。



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ライダーも峠を目指す


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道中、沢山のサイクリストが抜いていった



さて、この辺りになると始めの方で抜いていったロードの人が何人か下ってくる。
速いねえ。でもマイペース、マイペース。
また逆に後ろから来たサイクリストがなかなか追い付いて来ないこともある。
僕のペースはかなり遅いのでおかしいな?見間違いかな?
なんて考えて走ってると追い付いて来たのはどう見ても60才は軽く超えてそうなおじいちゃんだった。
そのおじいちゃんが後2Kmだ、頑張れ!と追い抜きざまジェスチャーを交えてドイツ語で教えてくれた。
うーん負けちゃおれんぞ!おっと、マイペース、マイペース(笑)。 



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左の旧道へ




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旧道と古い道標




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断崖の旧道を行く




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オーバーハング




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朽ちた柵



しばらく行くとトンネルが現れる。
照明はなく真っ暗で上り勾配のようだ。長さは600mくらいだろうか?
そのままトンネルを抜けてもいいのだが左の崖に旧道らしき未舗装路があるのでそっちへ行ってみることにする。
路面は荒れていて乗ることが出来ず押して歩く。
古い道標があるので旧道であることは間違いないが道幅はかなり狭くこの断崖絶壁を車が走っていたとは想像し難いものがある。
また錆付いた鉄棒に角材を渡しただけのガードレールは所々壊れていてオーバーハングする岩壁と相まって歩いていてとてもスリルがあった。
いつトンネルが完成したのか分からないがこの旧道を往年のジロ・デ・イタリアの選手達も通ったのだろうか?
路面はもう少しマシだっただろうけど大変だろうなあ、でも観るぶんにはすごい迫力だろうなあ、
などとこの道の歴史に想いを馳せながら進んでいった。



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ラストの急坂を駆け上がる




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ついに峠へ!



トンネルの出口からの上りはか・な・り・きつい。
ロードの人もチェーンをギリギリいわせて上って来る。
天へ届くような急坂を上っていくとやがて峠の建物が見えてくる。
そしてラストは勾配も緩くなり正面に綺麗な三角形の山(Corno dei Tre Signori 3360m)が見えてきてゴール!



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峠の看板にて



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古いポスターが貼ってあった



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山小屋で寛ぐ




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ガヴィア峠全容



峠の山小屋(Rifugio Bonetta)の中に入ると暖炉に火が入っていてとても温かい。
ここで大奮発してビールを注文しのんびり寛いでガヴィア峠に独り乾杯する。
建物の壁には 自転車関係のポスターや写真、サイン入りのレーサージャージ等が沢山掛かっていてこの峠の人気を物語っている。
そのうちの1つにあの旧道らしき坂を上って いるサイクリストの古いポスターがあった。
やはりあの道がレースに使われた時代もあったのだ。


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Lago Bianco



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ボルミオ方面へ下る




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麓の村まで下ってきた



峠周辺をしばらく散策しBormio方面へと下る。
小さな湖ラゴ・ビアンコLago Biancoの脇を通り緩い坂を2kmほど下るともう1つの山小屋(Rifugio Arnaldo Berni 2560m)の前に着く。
ここには小さな教会と第一次世界大戦の戦没者慰霊碑が氷河の山をバックに立っている。
そして進行方向にも遠くに雪を頂いた山が見える。
確認していないが多分Oltles 3950mかMonte Zebru 3735m辺りの山だろう。
九十九折れの道を下りきるとSta Caterina Valfurvaの町に入る。
ここでVal di Forni方面の道と別れ進行方向が西になると道幅が広くなりスピードも上がる。
しかし今日の目的地ボルミオBormioはまだまだ先だ。


2006.08.21走行
2006.12.14作成
2012.03.29修正
2018.12.12再掲載

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Commented by や ま at 2018-12-22 20:45 x
12年前ですが、昨日のことのように思えます。
ガビア峠、南側の情報、ありがとうございました。
できることなら、こちらから再訪してみたいものです。
Commented by akunisad at 2018-12-23 06:45
> や まさん
コメントありがとうございます。私もやまさんのブログを読んで下っただけでは、上らないと見えない景色があるなあと思っていました。いつかボルミオ側から上ってみたいです。
by akunisad | 2018-12-22 07:55 | Italia | Trackback | Comments(2)